物件のオーナー(以下、大家さん)にとって最も関心があることは入居率・更新率を上げることではないでしょうか?
そのための方法の1つにプロパンガス会社の見直しがあります。特に、昨今は物価が高騰しているため入居者は光熱費に敏感です。ガス料金が高いとされているプロパンガスの物件は敬遠される傾向にあります。
そこを逆手に取り、リーズナブルなプロパンガス料金を提示することで入居率・更新率のアップにつなげることも可能です。そこで今回は入居率・更新率を上げるためにプロパンガス会社を見直す理由について解説します。
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プロパンガスと都市ガスの料金比較
プロパンガスは都市ガスと比較して高いとされているので、入居者から敬遠されがちです。しかし、実際のところプロパンガスと都市ガスではどれくらい料金が違うのでしょうか?
下記は東京都におけるプロパンガス料金の平均価格です。
1カ月の使用量 | プロパンガス料金 |
5㎥ | 4,945円 |
10㎥ | 8,073円 |
20㎥ | 14,160円 |
プロパンガスは都市ガスよりも火力が高いことが特徴で、都市ガスよりもガス使用量が少なくなる傾向にあります。そのため、一概に同じガス使用量で比較することはできませんが、一般的にプロパンガス料金は都市ガス料金と比較して約2倍程度と言われています。
仮に毎月20㎥ずつプロパンガスを使用する家庭の場合、都市ガスよりも毎月約7,000円程度高いガス料金を支払う必要があります。年間約8万円程度の差が生まれるので大きな差と言えるでしょう。
プロパンガスが高い理由
次にプロパンガスが高い理由について紹介します。
配送コストが高いから
1つ目の理由は配送コストが高いことです。都市ガスは地下にあるガス管を通じて各家庭にガスを供給します。最初にガス管を敷設するためのコストはかかりますが、それ以後はガス管を通じて低コストでガスを供給できます。そのため、プロパンガスよりも安い価格で家庭にガスを供給できます。
一方、プロパンガスはガス会社が各家庭にガスボンベを配送するため、ガソリン代や人件費といったコストが発生します。そのため、都市ガスよりも割高になります。
無償貸与契約で入居者がコストを負担するから
2つ目の理由は物件の所有者(大家さん)とガス会社が「無償貸与契約」を結んでいることです。無償貸与契約とは、給湯器などのガス設備をガス会社が無料で設置する契約のことです。しかし、この契約は「無料」ではありません。ガス会社が大家さんに設備を貸し出すリース契約なのです。
参考記事:プロパンガスの無償貸与契約とは?仕組みやメリット・デメリット、よくあるトラブルを解説!
プロパンガスの設備工事費や部屋に備え付けられている給湯器などの設備を貸し出す代わりに、毎月のガス利用料金にこれらの費用を上乗せしています。そのため、無償貸与契約を結んでいる賃貸物件は通常のプロパンガス契約よりも割高になっています。
この仕組みは大家さんにとってはメリットがあります。しかし、入居者の中には知らないうちにコストを負担させられているとして反発する人もいるかもしれません。また、この物件はガス料金が高いという口コミが広がると入居率や更新率に影響がある可能性もあるでしょう。
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大家さんがプロパンガス会社を見直すメリット
続いて、大家さんがプロパンガス会社を見直すメリットを紹介します。
少しでも安い会社と契約して入居率・更新率を上げる
大家さんにとって最も重要なことは入居率・更新率を上げることです。都市ガスよりプロパンガスが高いことはしかたがないですが、プロパンガス会社を別の会社に切り替えることでガス料金を安くできます。ガス料金が安くなれば入居してくれる方が増えたり、退去していく方が減るといった効果が期待できます。
ガス料金はガス会社が自由に設定できる自由料金制ですので、少しでも安いガス会社に変更することでガス料金を値下げできます。周辺の他の物件よりもプロパンガス料金が安いことをアピールすることで、入居率・更新率を上げられるでしょう。
無償貸与契約は2027年度から見直される
元々は無償貸与契約を利用してガス設備をグレードアップできることが大家さんがプロパンガス会社を変更するメリットでした。
しかし、2023年4月、経済産業省はプロパンガスの料金に給湯器やエアコンなどプロパンガスと直接関係ない設備費用を利用者に負担させることを禁じる方針を明らかにしました。そのため、今後は無償貸与契約でのメリットは得られなくなるので注意しましょう。
物件のプロパンガス契約を見直すポイント
ここでは大家さんが物件のプロパンガス会社を見直す方法やポイントを解説します。
現在の契約内容を再確認
まずは現在契約しているガス会社との契約内容を確認しましょう。ガス会社の見直しをする上で、特に確認しておきたいポイントは下記の3点です。
- 契約期間
- 中途解約するときの違約金や設備買取について
- 無償貸与契約を結んでいるか否か
契約期間や契約内容はガス会社によって異なります。自分の物件が契約中のガス会社と何年契約になっているかを事前に把握しておきましょう。その際に無償貸与契約を結んでいるかも確認しておくとスムーズです。無償貸与契約を結んでいなければガス会社の変更は比較的簡単です。
しかし、無償貸与契約を結んでいるときは残り契約年数の確認が必要です。一般的に、配管の契約年数は15年、給湯器などのガス器具は10年が一般的です。中には契約年数が20年に及ぶ場合もあるので注意しましょう。
契約期間が満了となる前に中途解約をすると、一般的には違約金の支払いと設備の買取を求められます。金額はガス会社によって異なりますので、契約書の内容をしっかり確認しておきましょう。
複数のプロパンガス会社に相見積もりをとる
契約内容の確認が終わったら、複数のガス会社に見積もりを取りましょう。複数社に見積もりを出してもらう「相見積もり」というのですが、必ず相見積もりをしてください。1社だけに決め打ちして見積もりを出してもらうと、そのガス会社の提示金額が安いのかどうか判断ができないからです。
とはいえ、複数のガス会社を調べて1社ずつに見積もりを出してもらう作業は非常に大変です。そのため、相見積もりをする際はプロパンガス料金の比較サイトを活用しましょう。中でも「enepi(エネピ)」というサービスは大家さん向けのプロパンガス会社比較サービスを提供しています。
サービスをどれだけ利用しても無料なので、まずは気軽に料金シミュレーションをしてみることをおすすめします。
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プロパンガス会社を変更する際の注意点
最後にプロパンガス会社を変更する際の注意点を紹介します。
入居者に告知をする
プロパンガス会社を変更する前に、入居者に告知をしましょう。入居者の中には今のガス会社のままが良いと考えている人がいるかもしれません。そのような人に何も告知せずにガス会社を変更してしまうと、退去してしまうリスクが高くなります。
しかし、事前に告知をしておけば大家さんにとっては入居者の声を聞く機会にもなり、退去リスクを低くすることができるでしょう。
契約中のガス会社とのトラブルに注意
プロパンガス会社を変更する際、これまで契約していたガス会社とトラブルになるケースが多くあります。ガス会社にとって大家さんは重要な取引相手ですので、契約変更を思いとどまってもらおうと交渉するのは当然のことです。しかし、中には強引に引き留めようとするケースや契約書内容以上の違約金を請求する可能性があります。
現在契約しているガス会社との交渉がこじれるようなことがあれば、プロパンガスに関する第三者機関と連携して対処する必要があるかもしれません。とはいえ、できるだけトラブルを避けたいのはガス会社も同様です。必要以上に対立姿勢を示すのではなく、可能な限り対話で解決できるよう努めるべきでしょう。
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