引越しをしたことがある人ならば、引越しの初期費用が高いことは周知の通りです。初期費用は一般的な相場として、家賃の5倍程度の金額が必要と言われています。
せっかく引越ししても家計がカツカツの状態からのスタートなんて嫌ですよね。そこで今回は引越しの初期費用を安くする方法を徹底的に解説します。初期費用を安くしたい方はぜひ参考にしてください。
Table of Contents
初期費用って何があるの?
そもそも「初期費用」とは複数の手数料や保証料等をまとめた金額の総称をいいます。まずは費用の種類と相場を見ていきましょう。
敷金
退去するときの原状回復費用に充てられる費用です。基本的には原状回復にかかった金額が差し引かれて返金されます。敷金の相場は家賃1か月分です。敷金が0円の物件もあります。
礼金
大家さんに対して、お礼の意味を込めて支払う費用です。敷金と違い、退去時に返金されません。礼金の相場は家賃1か月分です。礼金が0円の物件もあります。
前家賃
入居する月の家賃を前払いで支払います。例えば2月に契約し、3月から住む場合、3月分の家賃をあらかじめ支払うということです。また2月の途中から入居する場合は日割りで家賃を別途支払います。費用の相場は家賃1か月分です。
仲介手数料
物件の案内や契約手続きを行った不動産会社に支払う費用です。法律で上限は「家賃の1カ月分」と決められています。費用の相場としては家賃半月~1か月分です。
火災保険料
火災や水漏れトラブルなどに備えた損害保険に加入する必要があり、損害保険会社に支払う費用です。費用の相場としては2万程度です。
その他発生する費用
その他にも物件や不動産会社によって発生する費用があります。代表的な費用としては「鍵交換費用」「保証料」「消臭費用」等です。必ず物件を契約する前にどんな費用がかかるかを確認するようにしましょう。
初期費用0円の罠
初期費用は先程も言ったように家賃の5倍程度の金額が相場です。つまり数十万かかる費用です。
そんな初期費用を「0円にします!」という話を耳にすることがあります。初期費用0円と聞くと、数十万円がお得になると思うかもしれませんが、世の中はそんなに甘くありません。ここではそんな「初期費用0円の罠」について説明します。
初期費用0円サービス
たまにネットやチラシ広告で「初期費用0円で引越し」というようなキャッチコピーを見かけます。確かに初期費用は0円ですが、こういったサービスは「初期費用を0円にする代わりに毎月の家賃と一緒に分割払いをしてください」という内容になっています。こうでもしないとビジネスが成り立たないので当たり前です。
つまり初期費用として一括で金額を支払う必要はないですが、最終的に支払う金額は同じもしくはそれ以上の金額になっています。その点をしっかりと理解した上で初期費用を0円にしたいのであれば、このようなサービスを利用してもいいと思います。
初期費用0円サービスはおトクではなく、支払を後回しにしているだけ!
クレジットカードで分割払い
クレジットカードで家賃を支払える物件の場合、クレジットで初期費用を分割払いできます。これも実際のところ初期費用は0円にはなるわけですが、毎月の家賃支払いに初期費用が上乗せされるという話です。
しかもただ上乗せされるだけではなく、クレジットの分割払いの場合は利息も上乗せされます。その為、最終的に支払う金額は圧倒的に分割払いした方が高くなります。「クレジットのポイントも貯まるからお得なんですよ!」といって初期費用の分割をすすめてくる業者もあるようですが、ポイントよりも利息の方が高いに決まってます。分割払いを選択する際は注意してください。
初期費用を安くする方法
先程述べた通り、初期費用を根本的に0円にすることはほぼ不可能です。しかし、少しでも初期費用を安くしたいという方はここで紹介することをやってみてください。
敷金・礼金0円の物件を探す
世の中には敷金と礼金が0円の物件があります。敷金と礼金は初期費用の中でも大きな割合を占める費用なので、これが0円になると初期費用を一気に安くできます。
ただし注意点として次の3つがあげられます。
- 敷金・礼金0円の物件は少ないので、希望条件に合う物件があるかわからない
- 立地や日当たりに難のある物件が多い
- 家賃が相場よりも高い場合が多い
敷金と礼金を0円にする大家さんの狙いは入居者の集客です。条件があまり良くない物件の場合、敷金礼金を0円にして消費者の興味を惹くということが考えられます。その点を理解しておきましょう。
フリーレント付の物件を探す
フリーレントとは入居してから一定期間、家賃が無料になる契約です。フリーレント付の物件を選ぶことで前家賃を初期費用の中から抑えられます。フリーレントの期間は短いと日割り家賃分、長いと1~3ヵ月程度です。転居前の住居と二重家賃になることも避けられます。
ただし注意点として次の3つがあげられます。
- フリーレント付の物件は少ないので、希望条件に合う物件があるかわからない
- 家賃が相場より高い場合が多い
- 契約期間が定められており、契約期間内に退去すると違約金が発生する場合がある
フリーレントをつける大家さんの狙いは、敷金礼金0円の場合と同じで入居者の集客です。フリーレント付の物件を選ぶ場合は必ず注意点を理解しておきましょう。
仲介手数料が安い不動産を利用する
仲介手数料が安い不動産を利用することで初期費用を抑えることができます。この場合は仲介手数料を大家や不動産会社が負担しています。敷金礼金0円やフリーレント程、初期費用を抑えることはできませんが初期費用を少しでも安くしたい方にはおすすめです。
注意点として次の2つがあげられます。
- 家賃が相場より高い場合が多い
- 仲介手数料以外の名目で料金を請求される場合がある
勘の良い方はそろそろ気づいてきたと思いますが、仲介手数料を安くする大家さんや不動産の狙いは入居者の集客です。初期費用が安くなった分は余程のことがない限り、後々回収される仕組みになっています。
入居日を月末に近付ける
入居日を月末に近付けることで初期費用を抑えられる可能性があります。
一般的に前家賃を初期費用で支払います。つまり、入居月の日割り家賃+翌月の家賃を支払うことになります。月初に入居すると入居月の家賃がほぼ1か月分となるので、初期費用で約2か月分の家賃を支払わなければなりません。月末に入居するとその月の家賃は数日分しかないため、家賃1か月分程度の初期費用を抑えられます。
注意点として次の1つがあげられます。
- フリーレント付物件を選んだ場合、もったいない
この手法は単純に初期費用を抑えることができます。ただし、入居時期をずらしているだけで初期費用が安くなったわけではありません。入居日をずらした分、他の住居に住む必要があります。その分の家賃を支払うのであれば結局同じことです。物件によっては日割り家賃をサービスしてくれることもあるので、事前に確認しておきましょう。
不動産閑散期に物件を探す
不動産閑散期に物件を探す場合、大家さんや不動産会社に値段交渉をすることで初期費用を抑えられる可能性があります。不動産閑散期は引越しする人が少ないため、値段交渉に応じても入居者を確保したいという思惑があるからです。
注意点として次の2つがあげられます。
- 退去者も少ない時期なので、希望条件に合う物件があるかわからない
- 値段交渉の労力をかけても、値引きできない場合がある
不確定要素の多い手法の為、わざわざ閑散期を選んで引越しする必要はないと思います。たまたま引越しをするタイミングが閑散期だった場合に交渉するくらいが丁度いいです。家賃を安くできることもあるのでぜひ試してみてください。
コメント